【週刊ダイヤモンドより引用】委託募集人の歴史


[コラム]損保制度を生保代理店が準用

グレーゾーン拡大解釈の歴史

委託型募集人は損保代理店の委託型使用人に端を発しており、その歴史的背景を抜きには語れない。

話は1996年にまでさかのぽる。56年ぶりに保険業法が改正され、これまで業界横並びだった保険業界に、規制緩和や自由化による競争の促進、生損保の相互参入が解禁された年のことである。

当時、損保各社はトップライン競争に明け暮れ、代理店網を拡大し、過去最高の約62万店にまで代理店が増えていた。

だが、業法改正により、保険商品と料率が自由化され、ローコストオペレーションが経営課題となった。

そこで、効率の悪い小規模代理店を規模の大きな代理店に集約しようとした。

集約化を進めるための“アメ”が、「規模が大きくなればなるほど手数料率がアップする手数料ポイント制度だった」(大手損保幹部)。

ただし、集約するには小規模代理店の店主は大規模代理店と雇用契約を結び、使用人にならねばならないという規定があった。

小規模代理店とはいえ店主は一国一城のあるじ。

よその代理店の使用人にはなりたくない。

そこで規制緩和を要望し、2000年に雇用関係がなくても「勤務」をすれば認められることになった。

これが、今まで通り、自宅で勤務しながら保険を販売できる制度、委託型使用人の誕生の経緯だ。

もっとも、これは保険業法で禁じられている「再委託の禁止」に抵触する。

保険業法では、保険会社から販売委託を受けた代理店が、代理店の役員や使用人以外に対して保険の販売を再委託することを禁じているからだ。

だが損保の状況を鑑み、「委託型使用人による保険販売はきちんとした勤務実態があれば、再委託ではないとの法解釈がなされた」(同)のである。

さらにもう一点、注目すべきは、生保と損保が子会社を通じ、相互参入できるようになったことだ。

ここで問題になったのが、損保の子会社生保、いわゆる損保系生保の取り扱いだった。

実は、保険業法では生保の募集人は所属する生保の保険しか取り扱えない「1社専属制」が基本なのだ。

なぜなら、複数の生保商品を取り扱うと、手数料目当てに無駄に保険を乗り換えさせるインセンティブが働いてしまうからだ。

そのため、すでにアフラックなど生保商品を取り扱っている損保代理店は、損保の子会社生保の商品を取り扱うことができない。

そこで認められたのが、使用人が複数いれば複数生保の商品を取り扱える「複数使用人特例」や、損保の子会社生保の商品に限り取り扱える「クロス特例」といわれる1社専属制の特例だった。

こういった特例を設けることで保険業法を回避し、損保業界の実態に合わせるべく委託型使用人や、乗り合い代理店が誕生したのだ。

それら特例を準用するかたちで生保の乗り合い代理店が取り入れ、今日に至っている。それがグレーゾーンと呼ばれるゆえんなのだ。

以上


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