保険の節約術コラム2


◆貯蓄性のある保険 中途解約時に「元本割れ」するのはなぜ?◆

生命保険の宣伝文句で「しかも掛け捨てじゃない!」というのを聞いたことがある人は多いはずだ。貯蓄性のある保険には、終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などがあるが、本当に有利なのか。

 養老保険を例に見てみよう。10年満期で500万円の養老保険の場合、加入から10年間のうちに加入者が死亡した際には、500万円の保険金が支払われる。

 しかも養老保険には死亡保障と同額の満期金がつき、無事に過ごして満期を迎えると、500万円が支払われる。

 ただし、大きな落とし穴がある。銀行の預貯金では考えられないことだが、保険では加入者が支払った保険料のすべてが積み立てに向かうわけではない。そこから保険会社の経費や代理店への手数料が差し引かれるため、早い段階で解約すると「元本割れ」が起こる。

 例えば、35歳男性が大手生保に加入した場合、年間保険料は50万円を超えるが、契約から2年後に中途解約すると、払い戻されるのは、払い込んだ額の84%程度だ。貯蓄のつもりで100万円払ったのに、16万円もお金は減る。

 ベストセラー『生命保険の「罠」』(講談社刊)の著者で、「保険相談室」代表の後田亨(うしろだ・とおる)氏は、こう解説する。

株や投資信託などの金融商品ではありえないですが、加入直後にゴソッと手数料が引かれ、大きなマイナスから運用がスタートします。高額な手数料は1年目で解約したときの返戻金を見ればわかります。貯蓄をしたい、運用がしたいなら、保険以外の金融商品を検討すべきです

※週刊ポスト2012年8月17・24日号 より転載


◆生命保険の死亡保障額 若い頃は厚く、年取ったら薄くすべし◆

住宅に次いで2番目に高い買い物といわれるのが生命保険。保険会社にすすめられるがままに加入しているケースも多いが、本当に必要な保険を見極めることができれば、保険料はぐっと下がる。生命保険の死亡保障の見直しポイントについて、「家計の見直し相談センター」の藤川太氏が解説する。

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生命保険の主力商品である死亡保障は、大きく分けて一生涯保障される「終身型」と一定期間保障される「定期型(掛け捨て)」がある。

かつては終身保険をベースに一定期間の保障を一律で厚くする平準型の定期保険特約を付加した「定期保険特約付終身保険」が主流だった。しかし、そもそもより多くの保障が必要となるのは、子どもが小さく将来の教育費などの負担が不安な場合である。ならば、何も子どもが独立するまでの備えを「平準型」にして保障額を一律にする必要はないし、子どもが独立して家計の負担が減る老後まで保障してくれる「終身保険」を厚くする必要もないだろう。

そこで必要最低限な保障としてお勧めしたいのが、末子誕生後は年齢とともに必要な保険額が減少する「収入保障保険」の活用である。これは契約者が亡くなった時点から満期まで年金形式で保険金を支払うタイプ。平準型から収入保障保険に変えれば、大幅に保険料を減らすことが可能となるのだ。

いったいどれほどの削減につながるかというと、大手生保が販売する保険金3000万円の平準型定期の場合、40歳で加入すると月々の保険料は1万800円、50歳からは2万250円で60歳までの20年間に支払う保険料総額は372万円余りに上る。

これに対し、月15万円(年間180万円で最大3600万円)の保険金が支給される収入保障保険の場合、メットライフ アリコなら月4860円、総支払額は約116万円と3分の1以下まで抑えられる。さらに非喫煙者で健康体であれば、NKSJひまわり生命では月3960円、総支払額は約94万円と、4分の1で済む計算だ。保険の見直しが家計にとってどれほどの効果を生むか、おわかりいただけるだろう。

※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より 転載


◆保険料の目安 医療保険と死亡保険を合わせて収入の10%以下◆

これだけ知っておけばOK! 保険見直しのツボを教えます! 「保険の話って、とにかく難しい」という人のために、得する要点を、来店型保険ショップ『保険クリニック』のファイナンシャルプランナー・篠原美穂さんがQ&Aでお教えします。

Q:保険はいくつはいったらよいのでしょうか?

A:死亡保険、医療保険、自動車保険、火災保険など保険には多くの種類がある。保険はリスクに対して備えるものなので、家族の人数や希望によってはいるべき保険の数は異なってくるが、最低限ひとつは医療保険にはいっておきたい。夫が病気やけがで入院をしたときには、治療費がかかり、収入も少なくなるからだ。子供がいる家庭や妻が専業主婦の家庭は、夫が亡くなった後に家族が安心して暮らすための死亡保険も必要となる。

Q:保険料は収入の何%が目安?

A:基本となる掛け捨ての医療保険、死亡保険の場合、ふたつの保険料をあわせて収入の10%以下が目安。この割合を超えている場合は一度見直したほうがいい。ちなみに1世帯あたりの平均保険料は年間52万円。

Q:何年ごとに見直せばよいのでしょうか?

A:家族の状況に応じて、万一のときに必要な保障の内容は変わってくる。年数ではなく、結婚や出産、子供の進学や独立、退職といった、人生の節目や家族構成が変わるタイミングで保障内容を見直すべき。保険は一度はいったらそのままでいいというものではない。

※女性セブン2011年4月28日号 より転載


◆貯金少なく妻が仕事してない世帯は「収入保障保険」に注目を・・・◆

日本人は「ムダな生命保険に入りすぎている」といわれる。実際、世界の保険料総額の世界市場占率は約1.3億人ながら17.5%を占め、人口約3億人のアメリカの20.1%と比べれば一人あたりの生命保険料は多い。かといって、すべての保険がムダかといえば、そんなことはない。

 貯金も少なく、妻の就労も期待できない。子供が大きくなるまではどうしても大型の死亡保障が必要な世帯ならば、「収入保障保険」のパフォーマンスは高い。

 33歳で収入保障保険に加入したという、やり手の保険営業マンA氏の実例で見てみよう。A氏は、60歳までの保障期間に万が一のことがあった場合、60歳まで年間300万円の保険金が家族に支払われるものを選択した。それぐらいあれば、遺された家族が安心して生活していけるという判断だ。

 33歳時点でA氏が亡くなった際の保険金総額は「300万円×27年間」で8100万円の保険金が支払われる計算になる。それが、50歳で亡くなったとすると「300万円×10年間」だから保険金は3000万円に減る。

 子供はどんどん大きくなりそのうちに独立するわけだから、保険金の額が下がっていくことは理にかなっている。収入保障保険では、それに伴って毎月の保険料も下がっていくのでリーズナブルなのだ。また、要介護状態になって働けない場合も保障されることは大きい。

 さらに、健康な人の保険料を低く設定している商品が多いことも特徴だ。たとえば、ソニー生命の「家族収入保険」やNKSJひまわり生命の「家族のお守り」などでは、非喫煙者で健康状態が条件に合う人は、保険料が3割前後割引される。ちなみに、加入後は喫煙しても太ってもオーケーだ。

 喫煙の有無のチェックは保険会社の職員が唾液検査を行なうので、ネット生保など営業職員を持たない保険会社では優良体(健康体)割引がない場合が多い。

 比較的最近に登場した保険であり、まだまだその仕組みを知らない人も多い。大きな死亡保障が必要で、かつ保険料を抑えたい世帯は加入を検討してもいいだろう。

※週刊ポスト2012年8月17・24日号 より転載


◆民間の介護保険は「すぐ飛びつくな。払うなら一括」と専門家◆

これからの高齢化社会、ますます介護の必要性があがっているが、公的な介護保険の欠点は、現金支給ではなく、指定された介護サービスに対する補填(現物支給)であるということ。その点、民間生保が扱う介護保険は、一定の要介護認定を受けた時点で支払われる「一時金」や、それから死亡するまで月々に受け取れる「年金」などの現金支給なので、公的な保険を補うものとして一考の価値がある。

 しかし、安易に飛びついてはいけないと、ファイナンシャルプランナーの藤川太氏はこう指摘する。

 

介護に備えるのならば運用期間を十分に取れるので、貯蓄や投信など、他の金融商品で運用した方が有利な場合が多い。そもそも保険料が高く、受け取れる年金や死亡給付金は、払込保険料の総額を下回るケースが少なくありません」

 そこで、財務支援研究所代表の小島宏之氏はこうアドバイスする。

「終身介護保険の保険料の全額を一度に支払ってしまう『一時払い』という方法が効率的です。サラリーマンであれば、退職金というまとまった資金を手にするので、そこから捻出してみてはどうか」

 たとえば、ソニー生命の「終身介護保障保険」に約416万円を一時払いすると、「要介護2」以上に認定された場合、一時金として60万円が支払われ、年額60万円の介護年金が死亡するまで給付される。6年間受け取れば元が取れる計算だ。

 

 もし介護状態にならずに死亡しても、420万円の死亡給付金を受け取れ、要介護期間が6年未満で亡くなったとしても、420万円から支払われた給付金を引いた額が給付される。つまり、“元本割れ”のリスクはない。保険料の支払い方法は、「一括払い」を選ぶのが得策だろう。

※週刊ポスト2011年2月18日号 より転載


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